Blind Wind Blog

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「おいすー^^」
「だから閉院30分前に来んなっつっただろボケ」
「約束したじゃない! 私とは遊びだったっていうの!?」
「仕事です」

そんなこんなでスムーズに診療室へ。

「いたい? まだいたいの?」
「でっていう」
「じゃあ抜こうか」
「明日仕事で飲み会あるんですけど呑んでもOK?」
「無理」
「どんなふうに無理なん」
「いたいよ。すっごい痛いよ」
「痛いだけ?」
「たぶん泣くよ」
「ならOK」
「お前ドMか」

痛み耐性はわりとあるようなので問題なし。
さすがに明日明後日と連続で仕事呑みなのはどうかとは思うが。

「はーい、痛かったら、我慢だ」
「歯は大丈夫なんすけど唇がめっさいたいす」
「ひっぱってるかんね」
「藤木、もう少し、こう何というか、手心というか…」
「痛くなければ覚えませぬ」
「何をだよ」
「しょうがねえワセリン塗ってやんよ」
「アッー」

そんなこんなで格闘するも一向に抜ける気配なし。

「やべっ」
「やべとか言うな」
「せんせー、これ自分の手に負えないんスけど」
「どれどれ。あー、これは太いねえ。三つ叉だねえ」
「さっきから相当出てますし、後でしっかり把束しないと……」
「何? 何が出ているというの?」
「気をつけろ、そこは慎重にやらないと隣の歯が抜ける」
「ちょ」
「ガキッ」
「しまった、折れたかも」
「そういうのまじかんべんしてください」

(本当にこういうこと話しまくってた)

結局抜けたのは口あけてから一時間半後。(たぶんみんな残業)
銀色のトレイに置かれた親不知は真っ二つに折れてた。

「しばらくガーゼ噛みしめてろ。乙女のようにな!」
「うっ、うっ……」
「ここに鎮痛剤と抗生物質があります。飲んどけ」
「俺の寿命がストレスでマッハです先生……」
「間違っても口ゆすぐなよ下郎。
 風呂にも入るな。歯もそっちは磨くな。メシも噛むな」
「あい……」
「いいか、やるなよ。絶対やるなよ! 絶対だぞ!」


――私の友達が始めての抜歯をしたとき、
それは親不知で、私は中学生でした。

その姿は痛そうでつらそうで、こんなひどい思いをしている彼は
きっと特別な存在なのだと感じました。
今では、私がガーゼ噛んで、ペンギンのように歩いて
ドラッグストアで買うのはもちろんポカリとウイダーインゼリー。

なぜなら私もまた、特別な存在だからです。


日清カップヌードル(赤)には血の味が合うのではないかと
前々から思っていたので、今日の夕飯はそれにするとします。
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