Blind Wind Blog

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僕が物心付いて初めてした悪戯って、たぶんピンポンダッシュ。
幼稚園の年少か年中……4,5歳の頃、
何をするにも連んでた親友と二人で
「何か悪戯をしよう」ということになった。

いま思えば、わざわざ悪戯をすること自体が目的になっていて
何かを面白がる為のものじゃなかったから、おかしな話ではあるんだけど
悪戯することが、自己主張になる時期って確かにあるんだと思う。
そういうわけで、僕らは悪戯をする為に悪戯をすることになった。
そこで目をつけたのが、有名な悪戯である
ピンポンダッシュだったというわけだ。
近所のおばさんの家を狙うことに決めて、二人で門の前に立つ。
インターホンを撫でたり、ボタンの丸い形をなぞったりしながら
「押してよ」「いや、押してよ」などと、ひとしきり互いに催促した後
笑い合って、勢いで押した。
ぴんぽーん、という、例の音がする。初めて押した呼び出しベルは、
実際に家の中にいるときよりずっと小さく、違う音に聞こえた。
こんな風に鳴るんだねえ、と二人で感動していると、
門を隔てたドアの向こうで物音が聞こえる。
来る。
この家の人がやってくる。そうわかってはいたんだけど、
僕らはなぜか逃げなかった。
逃げられなかった、のではなく、逃げなかった。
逃げ方がわからなかった、とも言えるかも知れない。
僕たちはピンポンダッシュのやり方を知らなかったのだ。
押して直ぐ逃げる、なんて発想はもう、すっかりなくて、
二人で「どうしよう」と足音が近づいてくる門の前でもぞもぞしていた。

「はい。……どうしたの?」
門の前で、照れて笑っている幼児二人を見て、
おばさんはなんて思っただろう。
「何か御用?」と聞かれたけれど、僕たちは
「ピンポンダッシュしてみたかったの」と
バカ正直に答えたのを覚えている。
おばさんは笑っていた。

後日、世間話か何かのついでに、親にその悪戯の顛末が伝えられた。
僕も友達も、特にお咎めはなかった。
幼心から来る好奇心だったのだろう、と片づけられたようだ。
僕たちは「ピンポンダッシュするんなら逃げなきゃダメじゃない」と言われ
ああ、そういうものなんだな、と妙に納得したのを覚えている。

そして、僕たちはそれから、本格的にピンポンダッシュを始め
一週間くらい後に二人とも親にカミナリを落とされて、
あっけなく悪戯は終わったのだった。


今思えばある種のイニシエーションだったのかも知れないな。あれは。
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